購入型と寄付型クラウドファンディング、寄付金控除の対象でない地区会だと、ふるさと納税のアイデア返礼品で勝負?

先日、地元の知り合いから、地区会で管理している観音様の建て替えに600万円が必要で、そのためにクラウドファンディングを利用できないかという相談を電話で受けました。

最近、テレビなどでクラウドファンディングを利用した事例などが取り上げられたりするので、結構簡単にお金が集まるというイメージを持っていたようです。

ただ、クラウドファンディングをただの寄付だと思っていたようで、その辺を説明したら、返礼品(リターン)として返すものはないということなので、少し調べてみると言って電話を切りました。

ということで、クラウドファンディングについて少し調べ、思いついたことがあるので、ちょっと紹介しておきます。

まず、クラウドファンディング(英語: Crowdfunding)とは何かというと、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、日本では2011年に購入型クラウドファンディングの「Readyfor」と「CAMPFIRE」が立ち上がったのが始まりとされています。

クラウドファンディングは、現在、主に以下の5つに分類されています。

・購入型クラウドファンディング

・寄付型クラウドファンディング

・融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)

・ファンド投資型クラウドファンディング

・株式投資型クラウドファンディング

この中で一般的なのは、「購入型クラウドファンディング」と「寄付型クラウドファンディング」で、クラウドファンディング市場を牽引してるのは「購入型クラウドファンディング」のほうです。

この「購入型クラウドファンディング」の仕組みとしては、リターンがモノやサービスであることが大きな特徴で、事前予約型のサービスといってもいいかと思います。

たとえば、奇跡のトマトを作りたいが、軍資金がないので、購入型クラウドファンディングで資金を募り、奇跡のトマトができた暁には、その奇跡のトマトを資金提供者にリターンとして配るといった感じです。

この奇跡のトマトの例については、実現するかどうか分からない夢の実現のために資金を募るという内容なので、奇跡のトマトについての情熱や、その実現性を熱く訴えなければ、目標金額まで資金が集まるかどうかは微妙です。

よくある購入型クラウドファンディングの例としては以下のようなものです。

・CDを出したいので、1口2000円で200万円の資金を調達したいです。

・目標額の200万円を達成すれば、CDを作成し、そのリターンとして、できたCDを配布します。

・なお、200万円に達しなければ、プロジェクトは行いません。

上記の事例では、事前に売上を見込んだ上で、それが目標額に達成した時点でプロジェクトを始めるので、見込みでプロジェクトを始めるのと違って、失敗することはありません。

基本的に、購入型クラウドファンディングの多くの事例が上記のような事前予約型サービスみたいです。

なので、観音様の建て替えで、購入型クラウドファンディングを利用するには無理がありそうです。

一つの案としては、観音様の建て替え時に取り壊した廃材で、お守りでも作り、それをリターンとして配布するとか、ご利益がある何かを配布するとかの多少のアイデアはあるかもしれませんが、寄付額に応じたリターンを返すのは難しいので、600万円もの資金を集めるのは現実的ではないと思います。

で、残る希望は、「寄付型クラウドファンディング」なわけですが、寄付型クラウドファンディングも返礼品の設定は必要なものの、飽くまでも「寄付」であるため、市場価値のある返礼品を設定することはできず、お礼の手紙とかそういったもので、感謝の意を表するといった感じです。

ただ、寄付型クラウドファンディングを利用するには、私が調べた限り、寄付による税制優遇が適用される団体や法人に利用が限られているというのが現状です。

寄付金詐欺などのこともありますので、寄付型クラウドファンディングを利用するには審査もあります。

寄付金控除を受けられる団体や法人ということなので、学校とかNPO法人とかそういった感じですね。

税理士に聞いてみないと分かりませんが、多分、地区会では寄付金控除の対象にはならないと思うので、寄付型クラウドファンディングを利用するのは難しいと思います。

仮に、寄付型クラウドファンディングを利用できたとしても、被災地とかならともかく、返礼品なしではそんなに寄付は集まらないような気がします。

Yahoo!ネット募金を見ても、大した金額は集まっていないので、単なる寄付に期待するのは難しそうです。

(※Yahoo!ネット募金へのプロジェクト開設の申し込みは、大変多くの問い合わせをいただいているため、一時的に受け付けを停止しているということです)

というわけで、クラウドファンディングで600万円も集めるのは正直無理な気がしますが、ふるさと納税とかを利用する手はありかもしれません。

たとえば、地区会で魅力あるお金のかからない返礼品でも作って、それを町の返礼品に登録してもらい、資金を得るといった方法です。

魅力あるお金のかからない返礼品というのが難題ですが、例えば、絵の得意な人にボランティアで絵を描いてもらって、それをクリアファイルにするとか、そんなアイデアでも実現できれば面白いとは思います。

ちなみに、5000円の返礼品の上限は3割なので、クリアファイル3枚を返礼品にするとして、1500円で町に買い取ってもらうといった感じになります。

クリアファイル1000枚印刷だと、1枚35円ぐらいなので、3枚を返礼品にするとして、原価が105円ということで、単純計算で、1口につき、1395円(1500円-105円)ぐらい儲かる計算になります。

ふるさと納税は豪華な返礼品でないと寄付は集めにくい傾向にありますが、本来の趣旨はそういったものではないですし、豪華なものでなくても、他にはない魅力ある返礼品を作れれば、話題になって寄付は集まるはずです。

まあ、町まで巻き込むとなると、町会議員にでも協力してもらわないと難しいかもしれませんが…

ふるさと納税やクラウドファンディングは基本的にモノよりアイデアで勝負するものなので、どっかの自治体みたいにAmazonギフト券を餌にして、寄付金を集めるといった性質のものではないと思います。